今回は私の経験から台湾の学生寮事情についてお話ししたいと思います。
台湾留学を考えている方で学生寮、アパート滞在、どちらがいいか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
アパート事情については経験していないため紹介できませんが、学生寮に住むメリットデメリット、寮生活に向いているのはどんな人か、私なりの見解をお伝えします。
大学時代に台湾人の友達に会いに1人で行った台湾旅行で「ここに住んでみたい!」と魅了され、1年間独学で台湾華語を勉強したのち、台北の大学へ半年間交換留学へ。帰国後はコロナの影響もあり訪台できていませんが、日台友好の架け橋の一部になれたらなと思っています。
台湾の学生寮ってどんな感じ?

紹介の前に・・・
まず前提として、今回は私が交換留学で通っていた台北のある大学の学生寮についてお話しします。
大学によって環境は様々だと思うので、あくまで一例だと思って読んでいただけると嬉しいです。
また同じ大学でも時期やルームメイト、管理人などによって生活が変わってくると思いますので、その点に関しても私個人の経験だということを念頭に置いていただきたいです。
【学生寮の設備・構造】1部屋6人がメジャー
学生寮は1部屋6人(一部の部屋は2人)、それが1フロアに24部屋で5階建て×2棟なので1000人以上が生活していました。
全部屋鍵付き(といっても南京錠を自分たちで用意する感じ)、入り口はカードキーをかざして寮生しか入れなくなっています。
エレベーターはありません。5階だった私は猛暑の初日20kg近いスーツケースを階段で運び死にかけました。
留学生は優先的に入居できるようですが、他の学生は抽選で基本的に一年生が優先されているようです。
ちなみに日本で6人部屋と聞くと合宿か林間学校ぐらいのイメージしかありませんが、台湾や中国では一般的なようです。
2棟の間に学生会館のような建物があり、食堂やコンビニ、部室や会議室が入っています。
寮は学校の敷地内にあり、管理人も常駐しているためセキュリティ面での心配はありませんでしたし、通学の負担もありません。
【共用部(トイレ・シャワー・ランドリー・洗面所)】
各階の両端にトイレと洗面所、ランドリー、シャワーがあります。
清潔感に関しては正直日本で育った私からすると、汚いです。
平日は毎日清掃のおばさんが来てくれていて、床や洗面台の掃除、トイレのゴミ回収などをしてくれているのですが、たまに同じタオルで全部の箇所拭いてない?と思ったり・・・
私は潔癖症ではないですし、日本が綺麗すぎるんだと割り切って生活していたので大丈夫でしたが、多くの日本人にとってかなりのストレスポイントではあると思います。
トイレはほぼ和式で紙を流してはいけないタイプ(台湾のトイレ事情についてはまた別でご紹介しようと思います)、シャワーのお湯が出るのは夜だけ、しかも換気のためか冬でもシャワー室の窓は空きっぱなしで極寒、下着はしょっちゅう落ちてます。
ランドリーは洗濯機が3台、乾燥機が2台、それと共用の物干しスペースがあります。
これらに関しては争奪戦です。6人×12部屋=72人で共用しているのでタイミングを見計らって使わなければいけません。
また物干しも所狭しと服がかけられていて、私は遭遇しませんでしたがブランド物などは盗難もあるらしいので注意が必要とのことでした・・・。
【部屋の中】狭いけどコンパクトで機能性はいいかも
正確な部屋の大きさは分かりませんが、縦長で体感で8畳ぐらいだったと思います。

入り口側からクローゼットが左右に3つずつ、その隣に共有の物置スペースがあり、奥に勉強机が3つずつ並んでいます。
そしてその上に、入り口から窓際にかけてロフトベットが左右に3つずつあります。
ベッド幅はシングルベッドよりやや狭いぐらい、長さは物置部分を入れなければ160cmぐらい・・・男子はどうやって寝てるんだろうと思ってました。
ベッドや机の位置によっても快適さが異なると思いますが、プライバシーなんてものはないので覚悟しておきましょう。
空調はカードにチャージして料金を払うタイプで、クーラーのみ、暖房はありません。
冬の朝夜は10度台前半になることもあるので普通に寒すぎます。
学生寮でどんな生活を送っていたの?ルールや門限は?

生活時間に関するルール
寮として特に起床時間や就寝時間に決まりはありません。
ただもちろん共同生活なのでルームメイトにあわせて消灯時間や電子機器から音を出して良い時間は気を遣う必要があります。
また台湾建築の鉄筋の構造上、各部屋の音がかなり廊下に漏れて響くので、その部屋の中でOKでも周辺の部屋や管理人からクレームが来ることもあるため常識の範囲内での行動は必須です。
門限は一応ありました(具体的に何時だったか覚えていませんが0時ぐらい)。
遅く帰ると入り口で理由を聞かれ、リストに名前を書かされることがあります。
ゴミ捨て・掃除ルール
共用部の掃除は清掃のおばさんや学生バイトがしてくれているので特に必要ありませんでした。
部屋の中の掃除については自己責任なので、ルームメイトと当番制にしたり、気づいた人がするという感じで部屋それぞれです。
またゴミ捨ては、毎週決まった曜日、決まった時間に寮内に大音量で音楽が流れ、その時間内に寮の前に来るごみ収集BOXに入れに行くというシステムでした。
台湾はコロナ前からテイクアウト文化が根強く、食べ物の容器のゴミが多く出るのでこまめなゴミ捨ては部屋の治安維持のために必須です。
食事事情
寮としてご飯はでませんので、自己調達です。
また寮や部屋にキッチンはなく、ガスコンロの使用は禁止、あるのはウォーターサーバーのお湯だけです。
ですので正直個人によるのですが、私は基本的に学食(フードコートのような感じ)に入っているお店で食べたり、コンビニで買って部屋で食べることが多かったです。
外食文化の台湾では3食外食がスタンダードですし、食べ物の物価も安く、ほとんどの店がテイクアウト可能なので、お店がなくて困るということはありません。
ただ春節の時期はコンビニとマックしかあいていないと言われるほどみんな店を閉めるらしいので、その時期に滞在する場合はインスタント食品を買い込むなど注意が必要です。
ちなみに冷蔵庫は各棟に3台、一週間に一度中身を捨てられるので、ずっと入れっぱなしにはできません。
名前を書いて入れ、名簿に記入し、入れ替えのタイミングの前に一度取り出さないといけないなど使い勝手が悪いため私は一度も利用しませんでした。笑
人間関係事情
私は中国人5人と私日本人1人という謎構成の部屋で5か月を過ごしました。
例年は留学生は台湾人の部屋に1人ずつ平等に割り振られているようですが、今期だけ特別だったのか、理由は分かりませんが留学生が固められた部屋割りでした。
正直最初は全然コミュニケーションが取れず、大変でした。
ただ逆に聞き取れないから、文化が違うからという理由で割り切って生活できていたためストレスが少なかったという点もあります。
これが日本人6人だったら気の遣い合いで爆発していたと思うので。
同じ東アジアとはいえやっぱり価値観の違いは驚くようなところに出たりします。
それでも自分の価値観を押し付けるのではなく、そういうもんだと一度受け入れ、折衝していくことが大事ですし、言わずもがなそれが共同生活の基本です。
留学生がいる部屋は比較的平和だと聞きますが(上記のように価値観が合わないのが当たり前でお互い努力し合うため)、これに関しては運と自分の適応能力次第としか言えません。
自分がトラブルメーカーにならないようにだけ最低限気をつけましょう。
寮に住むメリット・デメリット
メリット

①格安で滞在できる
やはり1番のメリットはここではないでしょうか。
正確な金額を覚えていなくて申し訳ないのですが、私の記憶が正しければ半年間3万円ほどで滞在しました。
ちなみに台北の一人暮らしのアパートは大体家賃が月3万円なので、光熱費込みで立地や安全性を考えると格安すぎます。
②現地の生活文化を体験できる
海外留学にせっかく来ているのであれば、アパートの中で日本式の生活をするよりもその土地に染まった生活を体験するのがひとつの醍醐味です。
ルームメイトが買ってくる見たこともない果物やお菓子は、1人で暮らしていたら絶対に手を出さなかっただろうしその美味しさを知ることは一生ありませんでした。
③交流機会が豊富にある
帰ったらおしゃべりができる友達がいる、休日何も予定がなくても人と会える。
一人暮らしをしている今、これがどんなに大事なことか痛感しています。
もちろん毎日人といるのが苦な人もいますし、ストレスはあるのですが、留学という短期間であればなんとかなります。
語学留学ならなおさら人と話す機会はあればあるほどいいので有効活用しない手はありません。
④大学までの移動が少なく、安心して暮らせる
大学の外に寮があるという学校もありますが、そこまで離れたところにはないと思うのでどの大学にも言えることではないでしょうか。
さらに大学という安心できるサポート体制が裏についているので、海外生活の不安が少しでも解消されると思います。
デメリット

①生活水準・清潔感の低さ
これは日本に生まれたが故に感じるデメリットです・・・。
特にトイレ問題は寮に限らずですが半年滞在しても慣れませんでした。
またシャワーの温度が不安定だったり、クーラーの性能の悪さ、壁の薄さなど小さなストレスの積み重ねは大きいです。
海外だからと割り切ってそこも留学の醍醐味だと楽しく方向に持っていきましょう。
詳しい台湾の学生寮の清潔感については別の記事で書いているのでこちらを参照してみてください。
②人間関係がうまくいかない場合はストレスが大きい
共同生活のためそれぞれの気遣いは必須ですが、やはりどうしようもない、解決できない問題は発生します。
特に通常の人間関係に加え、異文化の壁があるため、難易度は高めだと思います。
問題があった際にルームチェンジが可能かどうか、そのあたりの柔軟さも滞在前に調べておいたほうがいいかもしれません。
③予測不能のトラブルが起こるかも
これはどんな居住形態においてもそうですが、寮生活だと人間関係のトラブルや盗難などに遭う可能性が高くなります。
それ以外にもコロナ時期にあったように急に「寮を閉鎖します!全員実家に帰るなどして出てください!」なんて言われたら留学生は行く当てがなく困りますよね。
私が経験したトラブルとしては、寮からのお知らせをちゃんと読めておらず、全ての服を捨てられかけました。
しかしこういうトラブルが起こった時に身近に助けを求められる人がいるという意味では大きなメリットでもあります。
【まとめ】寮生活に向いてるのはこんな人

台湾の寮生活の経験を踏まえて、私が思う寮生活に向いている人はこんな方だと思います。
- 様々な価値観を受け入れ柔軟な対応ができる人
- 常に人がいる空間が苦でない人
- 短期間で語学を上達させたい人
じゃあ私は向いていないかも・・・と思った方、ちょっと待ってください。
実際、私は上の条件に当てはまっていませんが、半年という期間であれば割り切って生活できたので、寮生活を選んで一切後悔はありませんでした。
やはり友達をたくさん作れたというのが最大のメリットで、すべてのストレスは相殺できます。
日本人が多い大学であれば尚更台湾人との交流機会をとるのは難しくなりますし、せっかくお金と時間をかけて留学に来ているのにもったいないです。
アパート生活やホームステイなど、もちろん他の選択肢にもメリットはありますが、私からは経験がなく語ることができません。
しかしこの記事が滞在準備において少しでも役に立てばいいなと思っています。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
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